アメリカ大学院はどれだけ忙しいのか?1セメスターを終えての所感

「アメリカの大学は入るのは簡単だが、出るのは難しい」なんて話を聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
アメリカの大学は日本と比べて忙しく、学生は卒業するために必死こいて勉強しているなんて話を僕も聞いたことがあります。
果たして、実際はどれくらい忙しいのでしょうか?
今回は、1セメスターの全授業をAグレードで乗り越えた僕のアメリカ大学院での経験と、過去に日本の大学、大学院をでて日本での社会人経験もある自分が語ってみます。
アメリカの大学院は日本の大学より忙しい?
最初に結論を言えば、「忙しい」です。
ただ同時に、自分は日本で社会人としてフルタイムで働いてきたので、それと比べると 「ぶっちゃけそこまででもない」 とも思いました。
日本で社会人経験があり、かつアメリカの大学院に勉強しにくる向上心がある人であれば、どうせ 嫌でも体が頑張っちゃう と思うので、落第なんてことはほぼないと思います。
アメリカ大学院での授業数
現在僕が通っている大学院はフルタイムの修士課程で、留学生の在留資格のためには授業を4コマ(12 credit hours)履修する必要があります。つまり講義室に行って授業を受けるだけで週に12時間はかかります。
在留資格の授業時間12時間というのは比較的きつい条件で、他の大学だと9時間で満たせるところもあるようです。
ここにさらに、課題やテスト勉強などに費やす時間が乗ってくることになります。
課題の時間
課題やテスト勉強の負荷は週によって波があります。毎週課題が出るわけでもないので、何もなければかなり余裕はあるし、逆に一気に複数の授業の課題やテストが重なるとそれなりに忙しくなります。
1個の課題は8h-10hかかるものも普通にあるので、4授業なら課題だけで週40h行ってしまいます。ただ、課題がない週もあるので、平均すれば1授業の課題時間は週3hくらいな気がしています。
授業の出席が3h、課題も3hで、1授業平均6h程度あればこなせると思います。
負荷はコントロール可能
さらに1授業あたりの負荷も、ある程度は調整が効きます。
というのは、課題やテストが非常に難しい授業もあれば、比較的優しい授業もあるのです。
したがって多くの学生は完全に興味軸だけで授業を選ばず、事前にシラバスを読んだ上である程度負荷を予想しながら、本命の高負荷授業と、保険の低負荷授業を組み合わせて履修するのが一般的です。
以上から、4授業を取った上での時間的な拘束でいうと、授業出席と課題/テスト勉強を合わせても平均週25-30h程度を見ておけば十分な気がします。
で、これは果たして忙しいのでしょうか?それは今までのどの経験と比較するかで、人によって感じ方は違うでしょう。
日本の学部よりも忙しい?
僕の日本の大学の経験と比べれば、 「完全に忙しい」 と思います。
僕は日本ではそこそこ真面目な理系大学で、そこそこ真面目に授業も出席していました。それでも、日本の大学はそこまでたくさん課題は出ないし、せいぜい中間と期末試験シーズンにテストかレポートがある程度です。
その経験と比べると、アメリカの大学院は明確に忙しいと思います。
日本の大学院より忙しい?
僕の日本の大学院経験と比べると、アメリカの大学院の方が「まあ忙しいかな」と思います。
ただ、単純に比較できないのは日本の大学院は、研究室に入る点です。そして研究室の体制次第では忙しさは全く違うので、あまり比較はできないです。
なのでより正確に言えば、アメリカの大学院で授業単位を取ることは、日本の大学院の授業単位よりも大変だと思います。
ただし、アメリカ大学院は卒論の執筆がないプログラムもあり、そのようなプログラムであれば、日本の大学院で厳しい進捗を求められる研究室に在籍している人からすると、拍子抜けするほど負荷が低いと思うでしょう。
日本の会社員よりも忙しい?
これは 日本の会社員の方が忙しい と思います。もっとも、これも会社のカルチャーや業務内容によって人それぞれ感じ方は違うと思います。
日本の会社員生活は週40h+残業時間を会社のデスクで過ごす必要があり、これは個人的にすごく負荷が高いと思います。それに比べて大学院生活は学習時間を自由に設定して、疲れたら少し昼寝するような生き方ができるのでストレスが全く違います。
ただ人によって、これも感じ方が違うそうです。大学院の授業では新しい概念を習い、それを応用し、ある程度クリエイティブな成果物を求められます。このような活動に対する耐性が普段の会社員生活にあまりないと高い負荷を感じる人もいるようです。
日本の子育て社会人より忙しい?
もう明確に 日本の共働き子育て社会人の方が忙しい と思います笑
僕は5歳の子供がいますが、単身赴任でアメリカ大学院へ渡ったため(妻には非常に負荷をかけていますが...)、大学院生活を始めた時は使える時間が多すぎて困惑したほどでした。
自分一人のための料理や買い物は驚くほど時間がかかりません。1日2回保育園に行かなくていい、子供のペースの遅い食事や風呂に付き合っていつまでもダラダラ家事をしなくていい。その時間を全て勉強に使えるのがアメリカ大学院生活です。
きっと、日本で子育てという修羅場を乗り越えた経験がある人が単身で渡米する場合は、めちゃくちゃ時間に余裕があると感じるはずです。
日本の会社員のソフトスキルが効く
日本で会社員を数年やっている人であれば、複数のタスクを常に持っていて、どれがいつまでの締め切りかを頭の中で2,3個は管理しているでしょう。
さらにカレンダーを使ってタスクの締め切りなどの重要な日付をマークしたり、そのタスクの完了に必要な段取りを逆算して考える習慣が身についていると思います。
ましてや長期のエンジニア経験がある人であれば、タスクを分割して、1つ1つの作業工数や依存関係を計算する習性が勝手に発動する人もいると思います。
このようなソフトスキルを持っていることはアメリカ大学院で課題をこなしていく上で意外と有利です。さらにアメリカ大学院の精神的な負荷を下げてくれると思います。
おわりに
というわけで、アメリカの大学院、実際どんだけ忙しいの?という話でした。
僕は渡米前は、漠然と「アメリカの大学は忙しい」なんて話を聞いていて、その負荷が読めずに戦々恐々として、大変緊張していました。が、実際は会社員経験がある多くの日本人にとっては全く無茶な負荷ではないと感じるだろうというのが僕の見解です。
アメリカ大学院の進学を考えている方へ、実際の大変さをイメージする参考になれば幸いです。








