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英語上達はめっちゃ時間がかかるが、時間をかければ必ず伸びるからやってみようぜ!という話

kashitaka
kashitakaエンジニア/TOEFLガチ勢100点達成済み/2025年にアメリカ・ジョージア工科大学の修士課程に留学

英語を上達させる最強の方法、それはとにかく学習時間をかけまくることです。

「なんだそんなことか」と、ページを閉じてしまう前にもう少し待ってください。学習時間をかけるだけで伸びるということは、適性やセンスなど要らないということです。

かなり脳筋な発想になりますが、狂ったように長時間取り組めば必ず上級者レベルになれるということです。上達が約束されているってやる気になりませんか?

どれくらいの時間が必要か

で、どれくらいの時間が必要かというと、目指すレベルによって違います。

外国語のレベルを表す指標としてCEFR(セファール/Common European Framework of Reference for Languages)というものがあります。A1という初心者レベルから始まって、C2の上級者レベルまであります。

そしてこのCEFRのレベルを上げるのに必要な学習時間が大体わかっています。ケンブリッジ大学の論文に詳細が書かれていますが、下記のような学習時間でレベルを上げることができます。

CEFRランク 説明 TOEIC(L&R) 前レベルからの学習時間 A1からの累計学習時間
C2 熟達 なし 300-400 1030-1450
C1 上級 945~ 200-300 730-1050
B2 準上級 784~ 180-260 530-750
B1 中級 550~ 160-240 350-490
A2 準中級 225~ 100-150 190-250
A1 初級 120~ 90-100 90-100

※TOEIC(L&R)換算値は公式から引用。

つまり完全に初心者の人でも、累計1000時間勉強すれば上級者になれることが示唆されています。

ただ、細かいことをいうと、この学習時間には下記のような学習者の前提条件があります...

  • 英語に似た言語を母国語とする人である
  • 英語学習にやる気のある大人である
  • いい先生といい教材を使って学習する

ですので、やる気がなかったり学習方法が分からなかったりすると余計に時間がかかります。

言語グループが遠いほど時間がかかるようで、英語と日本語は完全に違う言語なので日本人のレベルアップは上の表よりも時間がかかります。

では、フツーの日本人の場合どうか

で、日本人が英語を学ぶ場合、レベルアップに必要な時間はというと、僕の個人的な経験だと下記のような感じかと思います。

  • A2→B1: 300時間くらい
  • B1→B2: 400時間くらい
  • B2→C1: 500時間くらい

残念ながら日本人の学習時間のデータがないのでハッキリとしたことはわからないのですが、ネットで見る数値は「200-300時間で1レベルアップ」というものはあります。

ただ、現在のレベルによっても時間は変わります。上のCEFR表でもわかる通り、A1到達はたったの100時間しかかからなくても、C1→C2は400時間がかかるなど上級に行くほどレベルアップに必要な時間が増えます。これは最初は簡単な単語100個や基本的な表現を覚えるだけで初心者になれるが、上級になるほど多くの単語や微妙な表現を操るために学習時間が増えるためです。

最後に、完全にゼロからのスタートではありません。というのも、日本人はすでに中学校~大学を通して大体1000時間ほど勉強しています。そして大体の人はSpeakingとWritingの能力も加味するとA2からB1の間にいると思います。

現実的な時間でレベルアップ可能

ということは、仮にビジネス英語レベルのC1を目指すとして、現時点でフツーの日本人の英語力(A2)だとしても、大体1200時間ほど真剣に勉強すれば到達します。

途方もない時間のように感じるかもしれませんが、僕はこの数値を見た時に「意外とその気になれば早く習得できるな」と思いました。

1200時間であれば、1日3.5時間勉強すれば1年で到達できます。つまり、日本国内にいても勉強時間を確保し、狂ったように取り組めば1年程度で一定レベルまでは到達できます。語学留学や海外駐在の機会がなくても大丈夫です。

国内で1年ポッキリです。1日3.5時間はかなり大変ですが、それでも終わりのない戦いではありません。1年死ぬ気でやればかなりのレベルに到達できるのです。

密度・頻度も上げて短期間でみっちりやるといい

1日1時間やって1200日=約3.5年かけてC1レベルを目指せるかというと、実はそれよりも時間がかかります。というのも1日の学習時間が少なかったり、学習頻度がまばらだったりすると記憶が定着しにくいため、時間が余計にかかります。

僕自身も経験がありますが、気が向いた時だけ勉強したり、1週間に1回だけ勉強しても、学習内容を吸収するより頭から抜けていく方が速い感覚があります。あと、スピーキングは口と舌の筋肉が鍛えられないので発音も上達しないです。

何より、3.5年の長期間にわたって1日1時間の勉強を続けるのはモチベーション的に苦痛すぎます。苦しいですが息を止めて1年とか1年半だけグッとやってしまった方が結果的に合計学習時間が短くて済みます。

学習時間を管理しよう

そんなわけで、とにかく時間をかければ上達するとわかったのですが、その上でオススメの勉強法は、計画を立てることと、時間を計測することです。

学習計画を立てる

自分の目標のCEFRレベルか、またはそれに相当するテストスコアに、いつまでに到達したいかを考えます。

  • 例1: 今A2レベルの人が3年後にビジネスレベル(CEFR C1)に到達したい。→1200時間程度必要とわかるので、1日1~2時間を3年続ければ到達。
  • 例2: 今B1レベルの人が1年後にTOEFL iBT 100点(CEFR C1相当)に到達したい。→800-900時間必要なので1日3時間の勉強時間を目標に学習計画を立てる

そんな風にして1日の目標学習時間が決まります。

学習時間の実績を記録しよう

そして実際に学習したら、学習時間の実績を記録しましょう。

これは自分の現時点のレベルを把握するのに役立つし、モチベーションを維持する上でも有効です。

RPGのレベル上げで次のレベルまでに必要な経験値がチェックできると、あと何回の戦闘でレベルが上がるか大体わかって、退屈なレベル上げ作業をもう少しだけ続けてみようという気持ちになるのと同じです。

テストスコアがうまく伸びない時なんかも、努力を可視化して自信に変えていきましょう。

やり方はGoogleスプレッドシートを作って管理するといいです。参考までに下記は僕の合計学習時間の推移です。

このグラフを読み解くと...

  • 2023/4月: 一念発起して勉強開始
  • 2023/5月: ゴールデンウィークにゼルダが発売して学習時間は伸び悩む
  • 2023/7月~10月: 毎月TOEFL iBTを受験してたので学習時間が順調に伸びる
  • 2023/10月末: 累計学習時間、500時間到達
  • 2024/4月: TOEFL iBT 100点突破(学習時間900時間到達時点)
  • 2024/6月: アメリカでハッカソンしたり、帰ってきて発音練習始めたりで1000時間突破
  • 2024/7月: 目標クリアしたので計測終了。(勉強は負荷を下げて継続)

何を勉強するか?

学習計画を立てるのはいいが、何していいのか分からんという人もいると思います。

学習内容は大事で、先ほどのCEFRレベルアップ表で補足した通り、いい教材といい講師は上達スピードに関係します。

目標次第ですが、漠然と何を目標にして何を勉強したらいいか分からないという人は次のような手段があります。

英語のスクールに入る

プログリットのようなコーチングスクールで最初の勉強スタイルを身につけるのはオススメです。欠点としてかなり高額ですが。

プログリットについては別記事で書いてます: プログリット卒業後4年経って、当時得た学びを忖度なしで振り返る

まずコーチングスクールで3ヶ月ほどで効果的な学習方法を身につけてから、卒業後にだんだん独自にカスタムしていくのは有効な方法です。

テストスコアを目標にする

あとはテストスコアを目標にするのもオススメです。やるべき学習方法が見えるし、試験日に向けて努力でき、結果もハッキリします。

例えば、TOEFL iBT 100点を目標に設定して、単語、リーディング(R)、リスニング(L)、スピーキング(S)、ライティング(W)の5種類の勉強を取り入れていくという感じです。TOEFL iBT の勉強法は別記事で書いてますのでこちらもどうぞ: TOEFLiBT100点までの道のりと対策の記録

漠然とビジネスレベルの英語力を欲しい人でも、テストスコアを目標にするのは有効だと思います。その場合はTOEFLやIELTSなどはRLSW4技能あり、教材も豊富な結構いいと思います。かなりアカデミック寄りですが、結構ビジネスレベルの単語とかニュースを聞く/読むのに必要な単語とかは多いので、やれば伸びると思います。

VERSANTは手軽ですけど自分はS&Lしか受けたことないので分からないです。4技能のPlacement版はなんか良さそうですが、教材や勉強法が世の中にあんまり無さそうなのでどうなんでしょう?詳しい人教えてください。TOEIC(L&R)は資格としての価値はありますが、リーディングとリスニングだけなのでガチでビジネスレベル英語を身につけるための学習法としては不向きだと思います。

なぜ4技能にこだわるかというと、4つの能力レベルは互いにリンクしています。WできるようになるとSやRの能力が伸びたり、SができるとLが伸びたりします。ガチでやるなら4技能鍛えるのがオススメです。

おわりに

ということで、繰り返しになりますが、時間をかけまくって必死に勉強すれば伸びるゲームが英語です。天性のセンスがなくてもちゃんと伸びます。

英語ができるようになりたいと思うがエンジンがかからない人がこの記事を読んで、本気で取り組むことを考えてみるキッカケになれば幸いだ思います。

具体的にどのように学習管理していくかは次の記事で紹介していますので、併せてお読みください。:スクラム式英語学習で学習を記録し改善を回そう

読んでいただきありがとうざいました!😄


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kashitaka

ソフトウェアエンジニア。2025年アメリカのGeorgia Techの修士課程でCSを学ぶ予定。 ブログでアメリカの大学院の受験のあれこれを書いていきたい。 経歴:埼玉育ち→東工大→新聞社→リクルート→ベンチャーCTO→(株)サイカ→CSを学びに渡米