The Kashitaka Blog

Cover Image for プログリット卒業後4年経って、当時得た学びを忖度なしで振り返る

プログリット卒業後4年経って、当時得た学びを忖度なしで振り返る

kashitaka
kashitakaエンジニア/TOEFLガチ勢100点達成済み/2025年にアメリカ・ジョージア工科大学の修士課程に留学

今回は高額英語コーチングスクールで有名なプログリットの話です。3ヶ月で50万くらい払ってガチで英語を猛特訓するやつですね。

僕は過去にプログリットに3ヶ月通ったことがあり、今回はそこで得られたものや、どういう人に向いているかを書いてこうと思います。

ちなみに、僕はすでに卒業後4年経っており、現在はTOEFL iBTは100点を超え、CEFR C1(上級者)レベル相当。アメリカの大学院に合格しています。そんな現時点から振り返って、プログリットの体験を評価します。

この記事は広告でもなんでもないです。思ったことを書きます。高額の投資になるので迷ってる人が読んで参考になればと思います。

僕の体験

入校時の僕の英語力

僕は学生の頃から英語が超苦手科目で、大学の英語の単位もTOIEC(L&R)の600点取得が要件だったのですが、3,4回受けてなんとかギリギリ600ちょいのスコアを取った男です。

特に海外経験もなく普通の日本の教育だけを受けてきたので、スピーキングやライティングなんてもってのほかでした。海外旅行が好きで、適当に単語を並べたサバイバル英語ができた程度です。

ただやっぱりエンジニアとしては英語ができれば、最新の情報を動画や海外カンファレンスで手に入れたりとメリットもあるので、30歳を超えてそろそろ英語コンプレックスも克服したいなーなんて思って、プログリットのビジネス英語3ヶ月コースに入りました。

卒業後

言われた通り1日3.5時間の勉強ノルマをサボらず真面目にこなしたので、3ヶ月後の英語力はテストを受けてスコアが伸びました。

VERSANTというあまり聞きなれないテストで測定するのですが、下記のようにテストスコアが上がっていました。TOEICも受けたので合わせて書いておきます。

入校前 卒業時点(3ヶ月後)
VERSANTスコア 41 50
TOEIC(L&R) 630? 850
CEFR換算(参考値) A2(初心者) B1(中級者)
TOEFL iBT換算 (参考値) 該当なし 42-71

ということで、次は僕が感じた、英語コーチングスクールの所感を書いています。

英語を教えてくれるところではなく、英語の勉強のやり方を教えてくれるところ

コーチングスクールは英会話スクールと違うので具体的な英語のテクニックや知識はあまり触れません。その代わり、英語の勉強の仕方を教えてくれます。目標に向かって、どの練習方法を、どの教材を使い、どんな密度・強度でやっていったらいいかを教えてくれます。

例えば、スピーキングを伸ばす勉強方法と、リスニングを伸ばす勉強方法は違い、どうすれば伸ばせるのか?などを体系的に説明し、自分で教材で実践していく感じです。

なので振り返ると、当時思ったのは「なるほど英語ってこう勉強するのか」という知らないことばかりで目から鱗でした。逆に、「方法論がわかれば、あとは自分次第で独学でできそうだな」という感覚もありましたし、実際にそうでした。

よく中学とかで塾に通い始めた途端に成績が伸びるみたいな話がありますが、あの手の話と同じで、正しい勉強法を知れば成績が伸びるし、知った後は塾を辞めてもちゃんと継続すれば成績が維持されるということです。

入校前の期待値と、卒業後の現実

プランとして3ヶ月コースが標準的だと思いますが、実際、3ヶ月コースを終わった時にどうなっていたかも触れておきます。

僕が入校前に漠然と思っていたのは、3ヶ月毎日3.5時間勉強すれば卒業後には英語がペラペラになってるという期待でした。ビジネス上級レベルの英語で、ミーティングで思ったことをある程度伝えられるようになるくらいの英語力が得られるかと思っていました。

これは正直に言うと、僕と同じくフツーの日本人では無理です。フツーの日本人の僕が3ヶ月終わった時点でのレベル感は下記のような感でした。

  • フツーの日本人よりは断然聞けるし話せる
  • 集中状態でTOEICリスニングの7割くらいは正確に聞ける。しかしまだエラーも多い。
  • 英会話で大雑把に自分の考えを伝えられる。しかしカタコトで詰まる。少し微妙なニュアンス・複雑な概念になると表現できない。

これを聞くと「なんだ」とガッカリする人もいるかも知れないですが、コーチングスクールで得る財産は「正しい勉強法と激しい学習習慣と小さい成功体験」なんだと思います。

むしろ前述の通り、英語の勉強方法はわかったので、ここがスタート地点と言う感じです。卒業後には自分で勉強の素材を探して伸ばしていく感じになります。

得るものは「学習方法・学習習慣・成功体験」

始める前は、毎日3.5時間の勉強時間確保なんて無理だと思うのですが、やらないと講師に言われそうだし、やったら褒められるみたいな怠惰な考えで、なんとか毎日3.5時間勉強します。

最初はその生活は辛いですが、1ヶ月ほど継続した時点で早くも何かしら自分の英語力に成長が見え始めます。これは、全くやってない人がいきなり激しく勉強するので、成長するのは当然なのですが、とにかく1~1.5ヶ月で何かしら変化を実感できます。

そして3ヶ月もすれば明らかにテストの成績も伸び、テスト以外でも英語力の大きな成長を感じます。この「激しく勉強したら成長した」という成功体験が大切なんだと思います。実際始める前に無理だと思った勉強時間確保も、「3ヶ月も続けたのだから継続できる」という自信になり、むしろストップすると生活習慣が変わるので気持ち悪くなるくらいです。

これを独力でやるのは難しいと思います。なぜなら、誰にもノルマを課されておらず、やって伸びるかの確信がないのでやる気も起きず、結果的に激しい勉強へコミットするモチベが湧かないのです。そこの最初の「とっかかり」を助けてくれるのがプログリットの大きな価値です。

こんな人に向いている

英語の勉強の仕方がわからない

前述の通り言語学習は効率の良いやり方が確かにあります。それがわからない人、言い換えれば、英語学習を薄く長く続けていてるが特に成長を感じられていない人であれば、得るものがすごく多いと思います。

僕もプログリット入校以前から英語のポッドキャストなんかをたまに聞いたりして、なんかやってる感じはあるけど、特に前進している感じもなく。たまに思い立ってTOEICを受けてみたりして単語帳を覚えて受けても大したスコアアップもなく...。という感じでした。

よくわからないから中途半端な勉強しかしないし、結果的にやっても伸びないからやる気も下がり、英語学習の優先順位は落ちます。

そうした状況にありつつも、「英語をいつかできるようになりたい」と思っている人は思い切って飛び込んでみると得るものがあると思います。

学習の習慣作り

言語学習にはある程度高い負荷をかけないと伸びません。負荷には頻度があり、だと週に10時間やる人より20時間やる人が伸びるのは当然だと思いますが、頻度だと1週間のうち2日だけ5時間ずつ勉強するのと、毎日1.5時間を7日やるのでは、同じ週10時間の学習時間でも後者の方が伸びます。

そしてこの負荷をかける習慣を個人で習得することは結構大変です。毎日ロボットのように、ある時間帯になったら学習するという不自然なことを続けないといけないのです。

誰かに見られてないと無理だと思います。習慣を得るためにはプログリットのようなコーチングスクールはおすすめです。3ヶ月も真面目に継続すれば、1日3食の食事や風呂や歯磨き同様に、やらないとなんか変みたいな感覚を身につけられます。

こんな人には向いてないと思う

すでに英語の学習方法を知っている上級者

すでに英語学習上級者で、「シャドーイング」とか「多読」みたいな学習の実践方法を知っており、高いモチベーションで毎日負荷をかけても継続できている人は行っても得るものがないと思います。そういう人は独学でやっても大差ないと思います。

金がない人

身も蓋もないんですが、超高いですよねー。さすがに最低でも社会人からの価格設定だと思います。学生は実家が太くないと無理。社会人でも新卒3年以内とかはキツいんじゃないかなーと思います。英語喋れるようになったけど困窮して心が荒んでしまったら元も子もないですし。

一方で、ある程度お財布へのダメージが大きい方が、頑張って元取ろうとするので必死になれると思います。高負荷でやろうが緩くやろうがコーチング代は同じなので。お金持ちの知り合いでプログリットをやっていた人がいましたが、その人はあまり高負荷で学習していなかったようでした。

子供が小さい

実体験として子供が3歳未満とかだとキツい気がします(まあ人それぞれ家庭の状態次第ですが)。僕も英語学習を中断していた3年間があります。子供が家にいる間はお世話して、保育園に行ってる時は当然仕事、仕事が終わればお迎えしてまたお世話。夜中も泣き出す。土日は常に一緒という感じではスケジュール通りにノルマをこなすのは難しいです。少なくとも1日3.5時間みたいな高負荷トレーニングは無理な気がします。

想像してみてください。さすがに夜泣き中とかにペラペラ英語でシャドーイングとかオンライン英会話なんかしてたら、パートナーも相当イライラするでしょう😂

やりたいことができずフラストレーションが溜まるかもしれませんが、3~4歳くらいで徐々に落ち着いて深夜や早朝に時間も確保できるので、決して焦ったり暗い気持ちにならず、今しかできないことを楽しみましょう(何の話)

おわりに

ということで、フツーの日本人の僕のプログリットの体験でした。繰り返しになりますが3ヶ月で英語上級者になりません。むしろスタート地点です。

学んだ方法論をもとにカスタムしながら続けると必ず伸びます。僕も卒業後さらに1000時間(10ヶ月)くらい学習したらニューヨークタイムズのポッドキャストで8割くらいは正確に聞けるようになりました。

プログリットに入るか迷ってる人、もうすぐ卒業しそうな人、卒業したけど勉強のモチベーションが落ちかけてる人などがこの記事を読んで参考にしてもらえれば幸いです。それでは👋


kashitaka
kashitaka

ソフトウェアエンジニア。2025年アメリカのGeorgia Techの修士課程でCSを学ぶ予定。 ブログでアメリカの大学院の受験のあれこれを書いていきたい。 経歴:埼玉育ち→東工大→新聞社→リクルート→ベンチャーCTO→(株)サイカ→CSを学びに渡米