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ChatGPTを使ってAnkiAppの単語カードを作らせる【プロンプト付き】

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kashitakaエンジニア/TOEFLガチ勢100点達成済み/2025年にアメリカ・ジョージア工科大学の修士課程に留学

TOEFL、TOEICやGREなどの試験対策で欠かせないのが「単語」です。

今回は、TOEFL対策として有名な単語帳 TOEFLテスト英単語3800(Amazon) を覚える際に、僕がやっていた方法を紹介します。

僕も単語帳は買ったのですが、実は1周しか読んでおらず、わからなかった単語を抽出した後は全てフラッシュカード(単語カード)アプリのAnkiAppに入れて、AnkiAppで何周も何周も繰り返しました。

そしてそのAnkiAppに入れる単語カードの情報はChatGPTに作らせました。この記事ではその辺りのやり方を紹介します。

AnkiApp の効率の良さ

AnkiAppの画面はこんな感じです。

カードのオモテとウラの情報を書くことでカードが作れます。英語学習ガチ勢の皆様も使っている方は多いと思います。

紙の本の単語帳に比べて利点は明らかです

  • 持ち歩くのが容易: 電車の中など空き時間ででササっとスマホで練習できる
  • 読み上げ機能: 単語を全部読んでくれる。音も一緒に覚えられる
  • 記憶に残りやすい順序で出題してくれる: アプリがいい感じに毎回順序を変えて、記憶が定着しやすい順番で出題してくれるようです
  • 記憶が怪しい単語が自動で記録される: 間違いやすいものはアプリがマークしてくれます

ということで、物理の本でなくアプリを使った方が学習の効率がいいのです。

めんどくさいカード作りはChatGPTにやらせる

ただ、アプリを使う上で、カードの表面と裏面の単語情報を1つ1つ入力していくのは現実的ではないわけです。TOEFL3800なんて3800語あるわけですから、3800枚分の単語情報を入力するなんて悪夢です。

そこで、ChatGPTに単語カードの内容を作らせてしまおう! というわけです。

AnkiAppのCSVインポート機能を使う

こんな感じでAnkiAppではCSVを入れて単語を作る機能があります。

"単語1の表面","単語1の裏面情報"
"単語2の表面","単語2の裏面情報"
...

のようなファイルを作ってAnkiAppに入れるとカードが作られます。この機能を使います。

つまり、AnkiAppに入れられるCSV形式の単語情報をChatGPTに生成させればいいのです。

手順1: 単語帳から覚えるべき単語を全て抽出する

自分が使っている紙の本の単語帳をまず1周し、覚えるべき単語を抽出します。

すでに知っている単語は含めない方が効率がいいです。わからなかった単語や記憶が怪しい単語だけを抽出してメモ帳などに貯めます。

こんな感じでメモっておきます。単語は,区切りで記録します。

frugal,nominal, ...

あまり量が多すぎると1デッキのカード枚数が増えすぎて練習が大変なので100単語ずつくらいにした方がいいと思います。あとTOEFL3800レベルの本を一発で全部抽出しようとするとそれもまた大変です。やはり100単語くらいずつ進めていった方がいいです。

抽出が終わったらもう紙の本は基本的に参照しなくなります。書籍よありがとう👋

手順2: ChatGPTに指示を出して調教する

ChatGPTを開いて、新しいチャットで下記のプロンプトを流し込みます。

入力として英単語の配列をカンマ区切りで渡します。
これに対して、下記のcsv形式でそれぞれの単語とその情報を出力してください。
```
英単語,情報
英単語,情報
...
```

CSVを出力するプログラミングのコードを出力するのではなく、構造化されたcsvそのものを出力することに注意してください。

2カラム目の情報には、単語の日本語訳、発音記号、品詞、関連語、2つの例文とその日本語訳を記載します。以下のような形式で出力します。

[単語の日本語訳(複数ある場合は,で区切って記載)]<br>
[発音記号]<br>
[品詞]<br>
[関連語]<br>
<br>
[例文1の内容]<br>
[例文1の日本語訳]<br>
<br>
[例文2の内容]<br>
[例文2の日本語訳]<br>

詳細な条件として
- 改行は <br> タグを使用します。
- " は "" としてエスケープします。
- 英単語が多義語の場合、[単語の日本語訳]は複数あることに注意してください、英語のニュアンスを表すために複数の日本語を出力します(,区切りで最大3個まで出力)。また、多義語に関しては例文1、例文2はそれぞれ違った[単語の日本語訳]に対応する例文を出力します。
- 関連語とは意味の近い単語や、入力された単語の変化形(例: betray という入力に対し betrayal など)を表します

入力例:
```
skeptic,nerve,considerable
```

出力例:
```
skeptic,"疑問者, 無信仰者<br>[skeptɪk]<br>noun<br>skeptical, believer<br><br>She was a skeptic of the paranormal.<br>彼女は超常現象の疑問者だった。<br><br>I'm a bit of a skeptic when it comes to conspiracy theories.<br>陰謀論に関しては少し疑い深い。"
nerve,"神経<br>[nɜːrv]<br>noun<br>nervous, brain<br><br>He has a lot of nerve to ask for a favor after what he did.<br>彼は自分がしたことの後でお願いするなんて、神経があるよ。<br><br>I don't have the nerve to speak in front of such a large audience.<br>私はそんなに大勢の前で話す度胸はありません。"
considerable,"相当な<br>[kənsɪ́dərəb(ə)l]<br>adjective<br>significant<br><br>They made a considerable effort to finish the project on time.<br>彼らはプロジェクトを時間内に終わらせるために相当な努力をした。<br><br>The storm caused considerable damage to the building.<br>その嵐で建物はかなりの被害を受けた。"
```

まずは次の入力をもとに出力してみてください
tripe,bear,conviction

するとこんな感じで、サンプルでcsvを出してくれます。

期待通りの出力になっているか念のため確認します。GPT3.5の時は出力がかなり不安定でしたが、4oになってからは超安定しているので基本大丈夫かと。

とにかくこれで調教完了です。

手順3: 手順1で作った単語リストを流し込む

後は手順1で抽出した単語リストをChatGPTに渡します。50個でも100個でも大丈夫です。

するとこんな感じで、入力した全ての単語の情報をcsvにして出力してくれます。

出力されたcsvは適当なテキストファイルにコピペして .csv として保存します。

手順4: CSVをAnkiAppに入れる

AnkiAppのCSVインポートで保存したcsvファイルをアップロードします。

すると、カードが作られます。試しにカードを見てみると

こんな風に裏面にしっかり情報が入っています。

音声読み上げを設定する

本題とは逸れますが、オモテ面の単語はアプリに読み上げてもらうように設定しましょう。

公式のマニュアル: [AnkiApp はテキスト読み上げ (TTS) をサポートしていますか?]にも手順書いてますが、なんかわかりにくいですね😅

iPhoneアプリ版だとデッキを開いて右上の ... メニューから[Edit Deck]で [Front Side] を TTS(en-US) にします。(TTS=Text to Speach)

おわりに

ということで後はひたすら学習対象の単語帳から、覚えたい単語を抜き出してChatGPTでCSVを生成し、AnkiAppで繰り返し暗記するだけです。

出力する裏面の情報も自分なりにカスタムして有用な単語カードを作ってみるのもいいと思います。

読んでいただきありがとうございました!このブログではTOEFLや英語学習ネタも書いてますので気になる方はお読みください。

では!


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kashitaka

ソフトウェアエンジニア。2025年アメリカのGeorgia Techの修士課程でCSを学ぶ予定。 ブログでアメリカの大学院の受験のあれこれを書いていきたい。 経歴:埼玉育ち→東工大→新聞社→リクルート→ベンチャーCTO→(株)サイカ→CSを学びに渡米